この春に生まれた水引花「はなめぐり」。
この一輪は、
ブランド1年目に作った桜の花
「はるうらら」を振り返るところから
始まりました。
季節がめぐるように、
もう一度初心と出会うようにして生まれた花。
今回はその制作背景を
少しだけ記しておこうと思います。

春と、桜
春になると、やはり桜をつくりたくなる。
春は人の心がせわしなく動く季節。
その情動性と、咲いては散る、桜。
この風景は、
ほかのどの花にも代えがたいものがある。
昨年つくった「はるうらら」は、
ブランドを始めて4か月の頃の作品でした。
1年目にふさわしく、
わかりやすくて、どこかキャッチーな桜。
そんなふうに感じています。
今年は「一凛の結び」を始めて2年目。
この1年で身につけた技法や工夫を重ねれば、
また違った表現の桜ができる。
そんな確信が、今回の「はなめぐり」の始まりでした。

二年目の春
今年は、「はるうらら」をそのまま販売するのではなく、
あらためて桜をつくり直しました。
この1年の積み重ねを、
見てくださっているみなさんにも
感じていただけたらと思ったからです。
「はなめぐり」に込めたテーマは、
「はるうらら」とは少し違います。
今回のテーマは、
「初心との再会」「巡る春」
がむしゃらだった1年目の作品を振り返りながら、
2年目の表現として
もう一度桜を形にしてみたいと思いました。

「めぐり」という言葉について
この花には「はなめぐり」という名前をつけました。
季節がひとめぐりして、
また春と出会う。
そんな時間の流れを
感じられる名前です。
「めぐり」という言葉には、
また出会える前提があります。
季節がめぐる。
想いがめぐる。
ご縁がめぐる。
血がめぐる。
静かでありながら、
どこか生命力を感じる言葉です。

かたちに揺らぎを
この花は、
あえて左右対称にはしていません。
今回のコンセプトは、
一度は手放したかに思えた“初心”。
歩んできた時間と変化を経て、
ふと立ち止まったその時、
心の奥にそっと佇んでいた
“あの気持ち”と再び出会う──
そんなイメージでした。
過去の自分と、
今の自分。
その二人が左右に立っているような、
そんな構図を思い浮かべながら形をつくっています。
曲がりながらも
上へと伸びていく枝に、
私なりの想いを込めています。

春を迎える花
この花は、
春に新しい生活が始まる方へ。
あるいは、
そこまで大きな変化はなくても、
春という季節の節目に
もう一度初心に立ち返りたい人へ。
これからめぐっていく季節を、
少し大切に思えるような
そんな花になれば嬉しいです。

また春が巡ってきたとき、
この花を思い出していただけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
「はなめぐり」が、暮らしのなかで
春の巡りをそっと感じる一輪になりますように。



